乾燥肌と乾燥性皮膚炎の一番の違いは、その症状の重さで判別できます。
そもそも乾燥肌は別名乾燥症と呼ばれることもあり、立派な皮膚の病気として認められています。
しかし大半の人が一過性のものや季節性のものと思い込んでしまい、あまりちゃんとした対策を取ろうとはしないのです。
その結果乾燥症の症状はどんどんと深刻になり、悪化の末に乾燥性皮膚炎となります。
では具体的にどう違うのか、まず乾燥肌は肌がカサカサとして痒みが出たり、ひび割れや皮剥けが起こることを指します。
角質の水分が失われている影響で皮膚が柔軟性を失い、少しの刺激で切れたり痛くなったりするのも特徴的でしょう。
また常時皮脂が少なめの人は、乾燥肌になりやすい傾向があります。
これは生まれ持った体質も大きく影響するため、数ある原因の中でも個人差が激しいものです。
とはいえ市販の保湿クリームなどでカバーすることができ、悪化する前に対処をしてしまえばあまり怖くないのが乾燥肌の症状の最大の特徴かもしれません。
一方で乾燥性皮膚炎の場合は、より強い痒みや赤み、水ぶくれや湿疹を伴います。
明らかに見た目からもわかるくらいに肌が荒れるため、どこに症状が出るかによっては人目を気にする必要も出てくるでしょう。
この水ぶくれや湿疹は極めて症状が進行したときに見られるものなので、過去にはなかったような痒みや赤みが現れた時点で治療をすれば防げる可能性があります。
そして乾燥性皮膚炎では、脇腹やすねといった部分に限定的に出る場合が多いです。
通常の乾燥肌は全身に現れるのですが、乾燥性皮膚炎に関してはどこか狭い一部分で集中的に悪化します。
脇腹やすねはもともと皮膚の水分が少ない場所なので、そういったことも原因として挙げられるでしょう。よって症状の重症度、それが出る場所が一番の違いです。
乾燥性皮膚炎は、自然な修復能力ではなかなか治せません。
保湿製品を使ったり肌を刺激から守ったり、お風呂での洗い過ぎにも要注意です。
早めに皮膚科に行って、専門医のアドバイスも受けておくと安心でしょう。